アメリカほどのブームにはいたっていませんが、FinTechは日本にも確実に入り込んできています。FinTechが提供するサービスは、既存の金融が提供するものを使いやすくしたり、手数料を下げたりしてユーザーに提供するもの、法律などの規制で従来の金融機関ができなかったサービスを補間するもの、まったく新しい分野に進出しているものがあります。

既存の分野のリニューアルで、一番わかりやすいのは、決済分野ではないでしょうか。特にスマートフォンやタブレットの普及で、モバイル決済が急激に発達してきました。クレジットカード決済は手数料が高く、個人で運営している通販サイトなどはクレジットカードの導入になかなか踏み切ることが出来ませんでしたが、FInTtechが発達したことにより、カード決済の手数料を安く提供する企業が現れはじめました。

日本でのモバイル決済はコイニーや楽天スマートペイがよく知られています。こちらは通販などの支払いを受ける側に必要とされる技術ですが、支払いをする側、顧客側の利用する技術では、おサイフケータイがあります。独自の決済アプリを無料で提供する小売業の店も出てきています。最近では、iPhonの決済機能apple payでsuicaが使えるようになりました。

また、ビッグデータやAIを活用し、個人や法人に投資アドバイスをするサービスも始まっています。これは従来、ファイナンシャルアドバイザーといわれる人が個人や法人の資産状況を見て資産分配のアドバイスをしてきたのですが、ファイナンシャルアドバイザーを雇うにはお金がかかります。しかし、AIであれば、人件費などがかからない分安くできるので、いままで独自に投資をしてきた個人でも気軽にアドバイスをうけることが出来るようになるのです。日本では『お金のデザイン』や『WealthNabi』が知られてきています。大手銀行や証券会社でも導入しているところがあります。

FinThecは企業の会計の分野でも存在感を増してきています。たとえば、企業は必ず決算書を出さなくてはいけませんが、決算書は企業内の各部門が膨大な数字をまとめあげ、一つの書類にしなくてはいけませんが、人手も要るし、時間もとられます。数字が合わなくて最初からやり直し!という事態にもなりかねません。この厄介な作業を軽くしてくれるのが、クラウド会計ソフトです。クラウドは正確にはクラウドコンピューティングのことをさします。データをパソコンやCDRなどのハードウェアやソフトウェアに保存するのではなく、インターネット上に保存することです。

どこからでもアクセスが可能で、複数の人が同時にデータを閲覧、共有することができるのです。このソフトを使えば、会社内のあらゆる部門の人が同時進行で作業を進めることができるので、労力と時間を大幅に削減することができるのです。最近では企業だけでなく、個人の家計簿や確定申告に応用されているものもあります。

企業用では『Freee』や『スマイルワークス』の提供する会計ソフトがあります。個人用の家計では、ZAIMというアプリがマスコミでも話題になりました。レシートを自動読み込みしてくれたり、家計の状況をグラフ化してくれたりと今の自分の家計状況が可視化し、節約に繋げることができます。