ビットコインは政府や銀行のような中央集権的第三者の影響をうけることなく発行される仮想通貨です。そのビットコインの根幹を支えているのがブロックチェーンです。ビットコインの最大の特長のひとつに、不正取引をしずらいということがありました。

ビットコインは膨大な量の取引記録をネットワーク上で不特定多数のユーザーと共有しています。過去数年間の取引を誰でも見ることができます。ユーザー全員が監視員のようなものです。そうなると、銀行や証券会社のように、お金を管理保管する中間業者を必要としなくなるので、コスト削減ができます。さらに膨大な量のデータにこっそり改ざんを加えるのは、ほぼ不可能に近いといわれています。透明性と高セキュリティの両方をあわせもつことから、ブロックチェーンは金融業界から画期的なインフラとして注目されています。日本でもブロックチェーンを研究、活用する会社が設立されました。

ブロックチェーンへの期待は金融業だけにとどまりません。ブロックチェーンを応用して、他分野への活用しようとする動きが活発になってきています。ビットコインに使われているブロックチェーンは膨大な量の数字が記録されていますが、ブロックチェーンが記録できるのは数字だけではありません。文章を記録することも可能なのです。

たとえば、土地や建物の権利や物の所有権、譲渡履歴などを記録することも可能なのです。実際、発展途上国では一部権力者によって登記簿が不正に書き換えられ土地の所有権を奪われる例が後をたちません。ブロックチェーンを登記簿などに応用すれば、土地の所有者の権利を勝手に書きかえられることがなくなるので、不正を防ぐことができます。

また、音楽の著作権など形のないものを守ることも可能です。実際、インターネットが発達してから、ミュージシャンに入ってくるお金は極端に少なくなったといわれています。知的所有権がインターネットについていっていないのです。あるミュージシャンは自身の曲をブロックチェーンにのせて配信しています。

たとえば、このミュージシャンの曲を映画の主題歌やBGMに使う場合、ブロックチェーンに記録されている条件にのっとって利用しなくてはいけません。曲の使用料を規定とおりに払わなければ、使えないようにしているのです。ミュージシャン自身が自分の作品の著作件や知的所有件を管理し、正当な報酬を受けることができるようになるのです。

医療分野での研究も進んできています。医療は国の医療手当て受けることも多いですが、目的の医療行為意外に流用されてしまうこともしばしばです。そこで、医療給付金を仮想通貨で給付します。仮想通貨に使われるブロックチェーンに給付金を利用できる条件をあらかじめ書き込んでおくのです。目的以外の医療意外に利用されているか調べる時間が省けますし、医療費の無駄な支出もなくすことができるのです。

他にも住民票など公的身分証明書の発行や、裁判犯罪の記録など利用できる分野は無限大といってもいいのです。